仙台高等裁判所 昭和28年(う)250号 判決
公職選挙法等二二一条第一項第四号に所謂選挙運動者中には現に選挙運動を為し居る者のみならず議員候補者のため将来選挙運動を為すことを依頼せられて同号所定の利益供与者よりその情を知りながら金員を受領するが如き者をも包含するものと解するを相当とする。蓋し議員候補者に当選を得しむる目的を以て投票取纏等の選挙運動を託されその運動報酬や費用として交付される金員を受領するときはとりもなおさず選挙運動を為すべきことを承諾したものであつて、所謂選挙運動者に外ならないからである。(大審院判例集第一五巻四四七頁及び同一二五八頁参照)原判決判示第一の事実認定の証拠を綜合すれば被告人は白石候補の選挙運動者鈴木善実より同候補のため投票取纏等の選挙運動を依頼されその報酬並びに費用として供与されるものであることの情を知りながら判示金員を受領したものであることが明かであり、同第二の事実認定の証拠就中古宮善助の検察官に対する昭和二七年一一月九日附供述調書謄本中、「増子を初め幹部の連中が白石の為に応援してくれていたので云々」の記載に徴すれば被告人は現に白石候補の為の選挙運動を為して居た者であることを推知せしむるに十分である。
(後略)